正々堂々キリギリスを捕獲しよう!
キリギリスという昆虫がいるのをご存知でしょうか?
真夏の草深い草むらに「ギーッ・・・ギーッ・・・」と鳴いている、バッタです。
このバッタ、たかが昆虫と侮るなかれ!
子供にその姿を見せてやろうとしていざ捕獲しようとすると、かなり難しいものがあります。
餌を使ってのトラップの方法もありますが、ここではその捕獲方法は説明しません。
ドライブや散歩中、なにも持ち合わせていない場合の捕獲方法です。
これでキリギリスをとらえる姿を子供に見せたら、子供は一気に尊敬の念を抱いてくれるのは必至です!
おとうさんも、おとうさんのおとうさんも、こうやってキリギリスを捕まえてたんだぞ!
へー・・・
キリギリスという昆虫
体長40㎜くらいの北海道から九州まで生息(なぜか北海道に生息している記載はない)しているバッタです。
体色は緑色か薄い茶褐色。
植物や小さい昆虫を餌として食べる雑食性です。
初夏に卵からかえったキリギリスは脱皮を繰り返し、2ヶ月ほどで成虫になります。
交尾の相手を呼び寄せるため、夏の草むらで「ギーッ・・・ギーッ・・・」と盛んに鳴きます。
鈴虫などと一緒で、自分の羽根をこすり合わせて音を出しています。
相手が見つかると交尾し、卵を地中に産み付けます。
その後、成虫は力尽きて死んでしまいます。
一年の何か月しか活動できない、それが故に成長も早い、そしてはかなく短い生涯を終えます。
警戒心が強く、あっという間に逃げて姿を消してしまうのは「短い生涯、つかまってなんていられないぜ!」とでも言っているかのようですね。
正に神業!素手での捕獲
人間としての本質を問われる、餌、道具を一切使わずに体一つで捕える捕獲方法です。
これで捕らえられたら、キリギリスも「やるじゃねーか!おまえには負けたよ!」と納得してくれるかもしれません。
知的生命体としての昆虫一匹とのサシの対決です。
そのためにはキリギリスの生態を十分把握したうえで臨まなければなりません。
・・・ちょっと大げさじゃない?
やってみればわかるよ!
近寄ろうとするとすぐに鳴き止む
ガサガサ乱暴に近づくと、すぐにその音を察知して鳴き止んでしまいます。
近づくには、鳴いたら一歩、鳴いたら一歩と音を立てずにゆっくり近づいていくしかありません。
それでも鳴き止んでしまったら、再度鳴き始めるまで、その場に5分でも10分でもただ動かずじっとして佇んでいます。
そうすれば、また鳴き始めることもあります。
鳴き始めたら、また一歩!
まさに、根気比べ!
鳴き声が手の届くところまでになるには、これだけでかなりの時間を費やします。
すぐに鳴き止んで、全然近づけないんですけど~!
そうだろうそうだろう!もうちょっと頑張ってみな!
緑色の体色のため、まわりの草となかなか識別できない
鳴き声に近づいたら、キリギリスの個体を発見しなくてはなりません。
これがまた難しい。
体色が緑色のキリギリスは、天然の迷彩服を着ているようなものです。
完全にまわりの草葉に溶け込んでしまっています。
鳴き声だけが響き渡り、姿を発見できない!
ここで「キーッ!」と切れてしまっては、人間として敗北です!
身体は一切動かさず、眼球だけを動かしてただひたすらその姿を探します。
キリギリスは自分の背中についている羽根をこすり合わせて鳴きます。
動かない草花の中で、その震えている羽根をまず見つけることもあります。
キリギリス本体が油断して動き出すこともあります。
そうして発見できたら、動かすことのできない自分の体でも、顔の表情を「にやり」とほくそ笑ませることはOKとしましょう!
一旦、逃げてしまうと、再度発見するのはかなりの困難
これだけでも時間と神経を使っているのに、ここからがまた大変です。
手のひらで捕獲するべくゆっくりゆっくりと両腕を伸ばしていきます。
「カサ・・・」とでも音を立てたら、キリギリスは一瞬で姿を消してしまいます。
まるで「黒子のバスケ」のように・・・。
キリギリスは飛ぶか、下の草藁ににもぐるかのような逃げ方をします。
逃げられると、条件にもよりますが、どんなに後を追っても再度発見、捕獲するのはかなりの困難になります。
本当に「消えた!」としか思えないくらい。
草を倒したりして、その場を荒らしてもし幸運にも再度発見、捕獲できたとしても、「勝利」の感覚は、私は半分ほどに落ちてしまいます。
勝利の瞬間!手のひらで捕獲!
慎重にゆっくりと両手をキリギリスのそばに持っていけたら、力まず、一瞬で包み込むようにキリギリスを捕まえます!
この時に注意しなければならないのは
・手のひらをまっすぐに当てない
あくまで目的はキリギリスを捕獲することであって、つぶす事ではありません。
手のひらは膨らませて、キリギリスを傷つけないようにしましょう!
・キリギリスの鋭い口に注意!
キリギリスの口は鋭く、噛む力も結構あります。
私も、何度も噛まれたことがありますが、結構痛いです!
しかし、キリギリスも必死であり、積極的に噛んできます!
最終的につかむのは背中を親指と人差し指でつまむように掴みましょう。
そうすると、あとは「超どや顔」で子供に見せて、虫かごに入れるだけです。
自然とのふれあいは子供の宝物
夏、昆虫採集や釣り、植物観察など、子供たちに教えたいことはたくさんあります。
子供の時に体験したことは大人になっても覚えていて、懐かしく楽しい気分になるものです。
次代が変わって、ゲーム世代になった今だからこそ、自然と接することの楽しさ、大切さを、子供たちに教えてあげたい。
きっとそれが子供たちの宝になることを信じて!